企業型確定拠出年金について

日本企業の75%が退職金制度を導入していますが、退職金制度と一言で言っても様々です。

その中でも、右肩上がりで導入されている制度が「企業型確定拠出年金」です。

[出所]運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2022年3月末)」
[出所]運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2022年3月末)」

企業型確定拠出年金には、主に3つのメリットがあります。

メリット1:拠出金は、報酬・給与にならず、課税されない

企業型確定拠出年金の1月あたりの拠出上限額は、5万5000円ですが、確定拠出年金で拠出した分は、給与扱いでなくなるため、その分社会保険料や所得税・住民税を下げることができます。

メリット2:運用益が非課税


本来、運用益には所得税、住民税、復興特別住民税がかかります(20.315%)。しかし確定拠出年金では非課税のため、それがかからなくなります。

メリット3:給付時、一括であれば退職金扱い、分割であれば公的年金扱いで税制優遇


退職時に、実際に給付を受ける際、一括であれば、退職金から退職所得控除を引いた額を、さらに2分の1に圧縮した額が税控除となります。また分離課税となり、税的なメリットが大きくなります。

確定拠出年金には、個人型(iDeCo)もあります。企業型との違いは以下のようになります。

①積立できる金額が多い
iDeCoは、厚生年金加入できる場合、毎月拠出できる上限は2万3000円だが、企業型は、5万5000円まで拠出できる。

②社会保険料軽減の可能性がある
iDeCoは、給与から税金や社会保険料が差し引かれた後のお金から拠出する。年末調整で掛金全額が控除対象となり、所得税や住民税がお得になる。

一方、企業型は、給与を支払う前段階で掛金を引いた分を会社が、確定拠出年金口座に振り込み、残った給与に対して税金や社会保険料が課せられる。そのため掛金によっては、社会保険料の等級が下がり、社会保険料が軽減できる

③加入期間が5年長い
2022年5月法改正によって、iDeCOは、65歳まで、企業型は70歳まで拠出可能になった。

④口座管理料が原則、法人負担
iDeCoは、加入者個人が負担するが、企業型は、原則法人が全て負担することになる。また、iDeCoから企業型への移換が可能

社員の目線で整理してみると、企業型は以下のメリットを社員は享受できるようになるため、福利厚生の一環として実施するという考え方ができます。
①選択制
  ・拠出額は、社員が決められる。
  ・拠出しないという選択もできる

②口座管理料は、原則無料
  ・iDeCoは、口座管理料が年数千円かかる
  ・iDeCoをやっている社員や、これからやろうとしている社員にとっては朗報

③投資教育の機会を獲得
  ・企業型を導入した企業は、社員に対して適切な投資教育をする義務を負う
  ・会社が、継続的な投資教育として、定期的な資産運用に対する勉強の機会を提供する

※掛金を会社から一部出してあげる形で導入すれば、より社員に喜ばれる
※会社により長く居続けるメリットも感じてもらえる

企業年金や退職金制度は、積立金の管理・運用を社員以外の外部組織が行うため社員は、制度や積立金に対してそれほど意識しないことが多いです。

一方、確定拠出年金は、社員自身で積立金を管理・運用しなければいけないために制度や積立金に対して意識がいきます。その結果、自分事として退職金制度について考えるようになるというメリットもあります。つまり、社員の金融リテラシーを高め、お金の面で自律した人材へと成長を促すきっかけを与えることができるといえます。

最初は現退職金制度と併用しながらの方がよい

現在すでに退職金制度を導入している企業の場合は、現退職金制度との折り合いをつけることが必要です。

もうすぐ退職時期の社員にとっては、退職間近に退職金制度が変わるという心理的ハードルが高いためです。そのため、新たに企業型確定拠出年金を導入する場合は、『選択制』で導入するのが一案です。選択式であれば、社員は拠出しないという選択も選べるので、社員一人ひとりのライフプランに合った制度の使い方ができるようになります。



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