退職金制度改定のステップ
政府は終身雇用を前提とした退職金の制度を改めようとしています。同じ会社に長く勤めるほど優遇される税制の是正をめざすとの方針が出されました。企業には勤続期間が短いと退職金を払わない慣行をなくすよう促していくそうです。硬直的な労働市場を見直して成長産業に人材が移動しやすくすることが目的のようです。
時事ドットコム
退職金税制、見直しに難題 長期勤続の税優遇是正―新資本主義計画:時事ドットコム
政府の「新しい資本主義」実行計画は、成長分野への労働移動を円滑化するため、柱の一つとして退職所得課税の見直しを掲げた。同じ会社に長期間勤務すると、より手厚い税優遇を受けられる仕組みの是正を目指す。ただ、現行制度を前提に老後の生活設計をしてきた働き手への配慮も欠かせない。年末に向けた税制改正の議論は、調整が難航しそうだ。
そのような環境の変化が起きている昨今ではありますが、退職金制度を改定する際にはどのようなステップで進めていけばいいかをまとめていきたいと思います。
退職金制度改定にかかる時間は半年から2年、長い場合では3年から5年がかりになることも少なくありません。退職金制度には社内外にさまざまな関係先があり、調整・協議が必要であること、そして社員にとっても分かりにくいため、競技や説明に時間を要すことがその主な要因です。
制度改定のステップは、「現状把握」と「課題の整理」、「基本の方向性を検討」することから始まります。次に基本方針について経営層と大まかに合意した上で、労働組合等がある場合には「労使協議」と「運営の確認」という2つの流れで制度を具現化し、導入を目指していきます。
労使間では協議を重ね、新制度内容を合意・確定していきます。「運営の確認」とは、金融機関や基金などの外部積立・運用先との協議により新制度の運営方法を確立する流れです。
外部機関を活用して退職金運営を行う場合、制度改定について労使での合意とともに「金融機関」や「地方厚生局」などの承認も必要です。このため、労使と運営側の2つの協議を同時に進行させ、制度導入を進めていきます。