人的資本経営テーマ①_リーダーシップ

「組織はリーダーの器以上にはならない」

リーダーシップによって、非連続の成長を描き始める企業もあれば、その逆もあります。その違いを把握し、未来を予測することは可能なのでしょうか。

人的資本開示の実務においても、最も重要なテーマの1つです。
ESG投資家からの強い要請を受け、ISO30414には、非財務であっても、業績や組織の将来にとてつもなく大きな影響を与えるリーダーシップ関連項目がセットされています。

それは「リーダーシップに対する信頼」となっており、最も頻度多く用いられる項目は、「公平さ」「誠実さ」「一貫性」です。その調査が数値で推移を示せるようになることが望ましい運用です。

上記の実践のためには「従業員エンゲージメントサーベイ」を実施するためのサーベイツールを活用することが一般的です。

その際、表面的な「リーダーシップ」のスコア計測だけでなく、その行動を生む会社の「組織風土」や「評価基準」といったリーダーシップ行動の背景まで見ていく必要があります。

サーベイ領域では、単に上述した背景・インサイトを得るだけでなく、具体的なアクションに繋げるアドバイスまでを求められています。

また「リーダーシップアセスメント」を活用することで、自己理解を深め、あるべき姿との「ギャップ」を把握し、そのギャップを埋めるための具体的なアクションに繋げやすくすることも検討の余地があります。

リンクトインの働き方調査によると、離職原因の上位には必ずと言ってよいほどランキングされるものとして「学習機会または成長機会がない」があります。このことから、まずリーダー自身が「グロースマインドセット」(自分の基本的資質やスキルは経験の積み重ねや努力次第でいくらでも伸ばすことができるという考え方)を持つ必要があります。

さらに、成長機会を与えるための基盤づくりとして、「真の適材適所の実現」が不可欠です。
自分のスキルが能力を仕事に活かすことができている」と感じられるかどうかが、従業員体験を良い状態にするための主だった要因ともいわれています。

従業員体験を良い状態するための基盤(エンプロイー・エクスペリエンス・プラットフォーム:EXP)としては以下が必要と言えます。

・マネジャーと部下との1on1ミーティング支援
・リアルタイムフィードバック
・ピア・リコグニション
・ジョブ定義支援、スキル棚卸&可視化支援
・従業員へのサーベイ

従業員エンゲージメントも重要な項目になります。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の「フリーランス白書2019」によると、会社員よりフリーランスの方が圧倒的にエンゲージメントスコアが高いことが分かります。

【プレスリリース】「フリーランス白書2019」フリーランスと会社員のワークエンゲージメントに大きな差 フリーランスマッチングサービスのカオスマップも初公開

これは、会社員という働き方や日本組織の在り方がエンゲージメントを下げていると言えます。
エンゲージメントに寄与している因子は、「主体的キャリア形成/職業的自己イメージ」などで、つまり、「自分自身でキャリア構築していくことができるか」ということが大きく関わっています。


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