次世代交通マイクロモビリティとは?LuupとLimeの現状と可能性を徹底解説

マイクロモビリティの浸透が急速に高まっています。都市部では電動キックボードが日常の風景となりました。那覇市内でもマイクロモビリティで通勤する人を見かけることが多くなりました。そこで今回は、新しい交通手段の市場動向や法的背景を解説します。日本を代表するLuupと世界最大手のLimeを紹介します。次世代交通の可能性と課題を紐解いていきたいと思います。
マイクロモビリティとは何か
マイクロモビリティとは電動で駆動する小型の移動手段です。一般的には一人乗りで小回りが利く乗り物を指します。電動キックボードや電動アシスト自転車が該当します。最近では座って乗れる電動シートボードも登場しました。ラストワンマイルを支える重要なインフラとして注目されています。
日本では2023年の道路交通法改正で新区分ができました。「特定小型原動機付自転車」です。この基準を満たせば16歳以上なら免許不要で利用できます。ヘルメット着用は努力義務とされています。具体的な基準は以下の表の通りです。
表1:特定小型原動機付自転車の基準
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 車体全長 | 190cm以下 |
| 車体全幅 | 60cm以下 |
| 最高速度 | 20km/h以下 |
| モーター定格出力 | 0.6kW以下 |
| 運転資格 | 16歳以上(免許不要) |
出典:政府広報オンライン
LuupとLime——日本市場を牽引する2社
日本国内のマイクロモビリティ市場を牽引するのがLuupとLimeです。Luupは日本発スタートアップとしてきめ細かなサービスを展開しています。Limeは世界最大手の実績を武器に日本市場へ参入しました。それぞれが異なる特徴と強みを持っています。両社の基本データを比較してみましょう。
表2:LuupとLimeの比較
| 項目 | Luup | Lime |
|---|---|---|
| 設立/日本開始 | 2018年7月設立 | 2024年8月日本開始 |
| 本拠地 | 日本(東京都品川区) | アメリカ(日本法人:東京都港区) |
| 主な車両 | 電動キックボード 電動アシスト自転車 電動シートボード | Limeラクモ (電動シートボード) |
| 日本展開 | 15,300箇所以上のポート 20都道府県68市区町村 | 東京都内16区、横浜 那覇、石垣島など |
| 特徴 | 日本最大級のネットワーク 駅すぱあと連携 | グローバル展開 約30カ国200都市 |
Luup——日本発のマイクロモビリティ
Luupの誕生とミッション
株式会社Luupは2018年7月30日に設立されました。代表取締役CEOは岡井大輝氏です。同氏は東京大学農学部卒業後、戦略系コンサルティングファームを経て創業しました。Luupのミッションは「街じゅうを駅前化するインフラをつくる」です。電動マイクロモビリティで駅から遠い場所も便利にすることを目指します。当初は介護士のマッチング事業を構想していましたが、交通インフラの課題に着目して事業転換しました。出典:株式会社Luup 会社情報
急成長するネットワーク
Luupのポート数は2025年11月時点で15,300箇所以上です。アプリダウンロード数は500万を超えました。サービス提供エリアは20都道府県68市区町村に拡大しています。2025年11月には「駅すぱあと」との連携を開始しました。同月より横浜エリアで座席付き「電動シートボード」の提供も始まりました。渋谷区とは「Shibuya Safe Ride Project」を発足させ安全対策に取り組んでいます。出典:Luup 駅すぱあと連携ニュース
Lime——世界最大手が日本に上陸
グローバルブランドの日本参入
Limeは2024年8月に日本でのサービスを開始しました。世界5大陸、約30カ国、200以上の都市で展開する最大手企業です。日本では座って乗れる「Limeラクモ」を主力として提供しています。ラクモは安定性が高く幅広い年齢層が利用しやすい設計です。東京都内16区からスタートし、2025年9月には横浜エリアへ進出しました。沖縄や千葉など展開エリアを着実に広げています。出典:Lime 公式サイト
安全への取り組みとエリア拡大
Limeは2025年4月11日、警視庁と首都高速道路株式会社の協力のもと画期的な技術を導入しました。首都高速道路への誤進入を防ぐジオフェンシング技術です。利用者が首都高の入口に近づくと車両が自動的に減速・停止します。国内初の実装です。シェアサイクル大手「HELLO CYCLING」との業務提携も発表しています。京急電鉄との連携やJR東日本の実証実験への参画など、鉄道事業者との協力も強化しています。出典:Lime ジオフェンシング導入ニュース
フィールドワーク
Limeは、沖縄県那覇市内でも展開されており、設置箇所も充実してきています。利用する前に、Limeアプリをスマートフォンに入れて、決済するためのクレジット情報の設定など初期設定をしておく必要があります。
Lime設置箇所に直接行き、スクーターに表示されているQRコードを読み込むことでレンタルを開始することができます。なお、アプリより事前予約することも可能で、予約後10分間は料金が発生しない仕組みとなっています。
利用料金はレンタル開始から最初の15分が90円で、それ以降は20円/分でしたが、利用するエリアによって料金体系が異なるので注意が必要です。
利用開始後、目的地まで行き、その付近にあるポートにスクーターを返却した時点で料金が確定する仕組みです。もちろん、レンタルしたポートに戻って返却することも可能ですが、ポートに空きがない場合は他のポートを探す必要があることに留意が必要です。
運転方法はシンプルで、ハンドル右側の「GO」を下に回すことで前進する仕様になっています。歩道ではなく車道を走る必要があるので、初心者の方は慣れるまで車の通行量が少ない道を選んだ方が良いでしょう。

課題と安全への取り組み
マイクロモビリティの普及に伴い安全面での課題が浮き彫りです。警察庁のデータによると2024年の電動キックボード関連の交通事故件数は338件でした。同年の交通違反検挙数は4万1246件に上っています。主な違反は逆走や信号無視です。歩行者との接触事故も発生しています。各社は安全対策を強化しています。
Luupは2025年10月に「交通違反点数制度」の実効性強化を発表しました。悪質な利用者への利用停止措置を厳格化しています。渋谷区とのプロジェクトでは安全運転の啓発活動も推進しています。Limeも夜間パトロールや利用者教育に力を入れています。法規制の見直しも含め社会全体で安全性を高める努力が続いています。出典:電動キックボード違反4万件超の現状
環境面でのメリット
マイクロモビリティは環境負荷の少ない移動手段として期待されます。Limeの発表では走行1kmあたりCO2排出量は約26gです。タクシーを利用した場合の排出量は約250gです。つまり排出量を約9分の1に抑えることが可能です。電動モーターで走行するため排気ガスも出ません。
都市部の短距離移動を自動車から置き換えることで渋滞緩和にもつながります。騒音公害の削減といった効果も期待できるでしょう。持続可能な都市づくりにおいて環境に優しい移動手段の普及は欠かせません。マイクロモビリティはそのための有力なソリューションの一つです。出典:Limeの考える安全性とサステナビリティ
まとめ——次世代交通の担い手として
マイクロモビリティは日本の都市交通に新たな選択肢をもたらしました。法改正によって利用のハードルが下がり市場は着実に拡大しています。日本発のLuupと世界最大手のLimeは強みを生かしてサービスを向上させています。安全性という課題には技術と制度両面から対策が進んでいます。環境貢献度も高く持続可能な社会の実現に向け重要な役割を果たすでしょう。次世代の交通インフラとして今後のさらなる発展が期待されます。

