「経験学習サイクル」について

 「経験学習サイクル」というキーワードは、昨今人材育成を目的として、導入する企業が増えている1on1ミーティングに紐づいて、よく聞くようになりました。

 以前在籍していた法政経営大学院では、5社の企業診断実習や、様々なMBA講座を受講しました。それらを取り組む中で、診断書の作成や、プレゼン、グループワークなどによって、常に「アウトプット」が求められました。
このアウトプットをする際に、他の学生や先生方に説得力を持たせる「付加価値」のある情報やアイデア、考え方などは、実際に業務をしてきた中の経験から学んだことが多かったことを覚えています。


 人の成長を決める経験は「自分が直接体験した経験」が全体の70%を占めると言われています。つまり、会社員であれば会社での「業務経験」から学ぶことが成長の大半を占めることになります。

  書籍「経験学習入門」(松尾 睦著)によると、経験学習を以下のように表現しています。

適切な「思い」と「つながり」を大切にし、「挑戦し、振り返り、楽しみながら」仕事をするとき、経験から多くのことを学ぶことができる

 社員は、経験した業務から「学習」して、自分の業務や人格の「幅と質」を広げていく姿勢と行動が伴うことによって、成長していくことになります。
その「姿勢と行動」を「経験から学ぶ力」と捉えて考えてみます。同著によると、経験から学ぶ力とは 1.ストレッチ 2.リフレクション 3.エンジョイメント の三要素であると記しています。

【出所】松尾睦著「職場が生きる、人が育つ「経験学習」入門」

ストレッチ
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1.挑戦するための土台を作る
2.周囲の信頼を得てストレッチ経験を呼び込む
3.できることをテコにして挑戦を広げる


リフレクション
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1.行為の中で内省する
2.他者からFBを求める
3.批判にオープンになり未来につなげる


エンジョイメント
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1.集中し、面白さの兆候を見逃さない
2.仕事の背景を考え、意味を見出す
3.達観して、後から来る喜びを待つ

上記が、三要素のポイントとなると説いています。
1.社員が自律的に経験学習サイクルを回せるようになる。 ⇛初動(啓蒙)研修、フィードバック研修
2.会社としてその場を提供し、支援する。 ⇛1on1ミーティング、成長=評価という公平性のある人事制度

という流れをつくっていければ、大きな課題の一つを解決できるのではないか、と思っています。

また、役員層や管理職に理解・浸透させる工夫(研修や支援ツールなど)も重要な要素になります。

 

 


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