株式会社と合同会社の違いについて

先日、経営相談に来られた方から以下のような相談を受けました。

『副業フリーランスとして心理士をしているが、独立する予定なので、合同会社を設立したいのだがアドバイスが欲しい』

そこで、株式会社と合同会社の違いについてまとめてみました。

合同会社とは、持分会社の一つです。
持分会社とは、合名会社、合資会社そして合同会社の総称です。なお、「持分」とは、株式会社における「株式」にあたるもので、出資者の地位を表しています。

整理した表が以下になります。

[出所]経理コンパス

持分会社の中で、合同会社の大きな特徴が「全員が有限責任社員」である点です。
会社が破産などしても社員は自分が出資した金額の範囲内で責任をとればよいということになります。

合同会社は、出資者全員が会社を代表して業務を執行しますが、社員が複数いる場合には株式会社と同じように定款で代表者を定めることもできます。

合同会社は「日本版LLC」と呼ばれ、株式会社に限りなく近くさらに会社の設立費用も安く済むため最近増えている会社形態です。

会社設立数の株式会社と合同会社の内訳をみると、株式会社は直近では減っているのに対し、合同会社は順調に増えています。
合同会社の認知度の上昇に伴い、合同会社の設立ニーズも急速に拡大しています。

[出所] e-Stat 政府統計の総合窓口

なお、那覇エリアにおける合同会社設立割合は55%程度と高い水準になっています。

それでは、株式会社と合同会社の違いはどのような点になるのでしょうか。
その違いを項目別に整理した表が以下になります。

[出所]freee

合同会社設立のメリットとして以下3点が挙げられます。

1.経営の自由度が高い

合同会社は出資比率に関係なく利益配分ができ、経営の自由度が高いことがメリットの一つです。そのため、優秀な社員の利益配分比率を高めるということも可能です。定款内容の自由度が株式会社よりも高いため、個々の事情に応じた定款を作成できます。また、合同会社も株式会社と同様に、法人の節税メリットを受けることができます。


2.ランニングコストを抑えられる

合同会社の場合は、毎年の決算公告義務がないので官報掲載費が発生しません。また、役員の任期を設ける必要もないため、役員の任期が終了する度に発生する「重任登記にかかる登録免許税」もかかりません(資本金1億円以上の会社の場合は3万円必要となります)。

3.設立費用が安い

合同会社を設立する際は、定款の認証手数料が不要です。また、登録免許税も株式会社に比べ下限が安く、資本金額によっては60,000円で済みます。さらに電子定款にすることで収入印紙代も不要になるので、最低10万円から設立が可能となります。

合同会社は、株式会社のように証券市場で上場することができませんから、株式会社のような大規模な資金調達は難しいといえますが、事業が軌道に乗って株式会社にしたくなった時には、いつでも株式会社に変更することができるため、今後設立件数はますます増えると予想されています。


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