マーケティング_チャネル戦略について

マーケティングについては、ここまでマーケティング・ミックスの製品戦略まで整理してきました。
 今回は、マーケティング・ミックスにおける『チャネル戦略』について整理していきたいと思います。

[出所]一般社団法人 日本経営協会マネジメント検定テキストを基に著者作成

マーケティング・ミックスの『製品戦略』についてはこちら

マーケティング_製品戦略について

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マーケティング_価格戦略について

チャネル戦略

1.マーケティング・チャネル
マーケティング・チャネルが果たす機能
 マーケティング・チャネルの始点である生産地点と、終着点である消費地点の間にはさまざまなギャップが存在しています。
 生産地点と消費地点の間に存在する主要なギャップには以下のようなものがあります。

①空間的・時間的ギャップ
 ・地理的な空間のギャップ
 ・ECの普及で空間的ギャップが小さくなっている(時間的ギャップも同様)。

②情報(知覚的)ギャップ
 ・誰が生産し、販売しているのかということを知らない。
 ・消費者が知りたい情報と供給者側が知らせたい情報に存在するギャップ。

③所有権のギャップ
 ・所有権が売り手から買い手に移転されるまでのギャップ。

④価値のギャップ
 ・「交換価値」と「使用価値」のギャップ。

⑤品揃えのギャップ
 ・提供される商品と要求される商品の種類(品揃え)のギャップ。

マーケティング・チャネルの経済的役割
 上記のような生産者と消費者のギャップを埋めるために、マーケティング・チャネルを構成する企業や個人が存在しています。
 生産者と消費者の間に立つ流通業者が果たす主要な役割には、以下のような機能があります。

①輸送機能
②分割機能
③保管機能
④品揃え機能
⑤接触機能
⑥情報機能
⑦プロモーション機能

上記の他にも、金融支援や修理・交換などに関する機能を果たす場合もあります。

マーケティング・チャネルの存在理由
 流通段階におけるイノベーションは、機能やフローをより効率的・効果的に実現する方法の開発として進んできました。
 その一方で、近年、生産者と小売業者の間で直接的に取引が行われたり、D2Cと呼ばれるように、生産者が自社のウェブサイトや通信販売を通じて直接消費者に販売するようになってきています。
 このような中間流通業者を介在しない取引が増えていることは、卸の中抜き現象と呼ばれ、流通業者の存在意義が問われています。

 以下は、マーケティング・チャネルの存在理由になります。

①取引総数の効率化
②規模の経済
③適切な品揃え
④適切なサービス

メーカーにとっての基本的なチャネル政策
 メーカーにとってのチャネル政策は、チャネル経路に多数の流通業者が参加するのか、限定的な数の流通業者が参加するのかによって、以下に分けることができます。

①開放的チャネル政策
 ・最寄品
②選択的チャネル政策
 ・買回品 アパレル/化粧品
③排他的チャネル政策
 ・専門品 自動車

オムニチャネル
 オムニチャネルとは、実店舗、ホームページなどのウェブサイト、スマホアプリやカタログ、メディア広告などの顧客接点、つまり、プロモーション手段を含めた多様なチャネルのことです。顧客の接点を多様化し、様々なチャネル間の連携や統合を図ることで、従来にない購買体験や高いレベルの利便性を提供することができます。

2.マーケティング・チャネルの系列化
チャネルメンバー間の競争構造
 流通業者の視点からみた競争構造には以下の5つのタイプがあります。

①同業者間競争

②異業態間競争

③垂直的競争  PBとNB

④システム間競争  自動車メーカ系列間、 コンビニチェーン同士

⑤複合企業間競争  コングロマーチャント

企業間関係の変化
 今日の企業間関係は多様な構造を持っており、特に流通チャネルを形成している取引当事者間の関係は、以下の流れで変化してきました。

①市場取引
②反復的取引
③長期的関係構築
④売り手と買い手のパートナーシップ
⑤戦略的提携
⑥ネットワーク組織
⑦垂直的統合 SPA

垂直的マーケティング・システム(VMS)
 VMSは、メーカー、卸売業者、小売業者など流通業者の川上~川下にいる複数の企業が1つのシステムとしての機能をを果たすものです。
 VMSには、以下のように3つの形態があります。

企業型VMS
 ①前方垂直統合システム
 ②後方垂直統合システム
 ③混合垂直統合システム

契約型VMS
 前方統合
 後方統合 協同組合

管理型VMS
 ハウスメーカー
 自動車業界

フランチャイズシステム
フランチャイズシステムは契約をもとにした垂直的なマーケティング・システムの一種です。


 ・フランチャイザー:本部側
 ・フランチャイジー:加盟店側


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